今、立憲民主党の力のなさが浮き彫りになっています。経済安全保障推進法や防衛産業支援法のような、国防第一の自民党肝いり政策に乗っかったりしていては、国民から、自民に代わる選択肢として見られません。アメリカでは、政権交代が起きれば、共和党は民主党の、民主党は共和党のやってきたことをガチで否定して、ひっくり返します。そういう分かりやすい対立軸を出さないと、世の中の人には伝わりづらいでしょう。

 その点、日本維新の会のやりかたは、パフォーマンスとしてはうまいなと思います。「国会議員の定数を3割減らします」と打ち出して、実際、大阪市議会では14%の削減を実現している。議員を減らすことは、民主主義を破壊する側面もあると思うんですけど、「有言実行の改革政党」という意味ではアピールになっています。現状の維新の勢いを見ていると、日本の停滞した空気感を変えるために、学ばなきゃいけない部分もあるのかなと思います。

(聞き手・構成/AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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