【タイプ3】エネルギー不足の「気虚(ききょ)」タイプ

<気になる症状>
夏やせ、疲労感、倦怠感、多汗、動悸、息切れ、食欲不振

<改善ポイント>「肺」を養う
 体内の「気」(エネルギー)が暑さで消耗したり、汗と一緒に流出してしまったりすることで、夏はエネルギーが不足しがちに。これを「気虚(ききょ)」の状態といい、さまざまな不調が現れます。

 気を補う大切な役割を担っているのは「肺」です。身体に疲れやすさやだるさを感じたら、早めの就寝で睡眠をたっぷりとり、肺を補って気力、体力を充実させるよう心がけてください。

 体力不足の疲れやすい状態では、夏の暑さにも負けてしまいます。また、夏の暑さは長引くことも多いので、秋を健康的に過ごすためにも夏の間にしっかり対策して元気をつけておきましょう。

<摂り入れたい食材>
身体のエネルギーを補う食材を多く摂るようにしましょう。豆腐は炒り豆腐など加熱したものがおすすめです。
山芋、大豆、豆腐、湯葉、桃、りんご、うなぎなど

身体のエネルギーを補う食材、うなぎ 写真 PhotoAC
身体のエネルギーを補う食材、うなぎ 写真 PhotoAC

【ポイント】冷房に頼りすぎず、自然な暮らしを

●自宅での冷房の使い方
・汗が引くまで使う。
・こまめに温度調節する。
・直接冷気が当たらないように調節する。

●自然な暮らしを取り入れる
・早起きして、新鮮な空気をたっぷり吸い、軽く身体を動かす。
・寝不足には要注意。睡眠で疲労回復を。
・寝不足の時は、昼寝や早めの就寝で睡眠を補う。

 中国には「心静自然涼(しんせいしぜんりょう)」ということわざがあります。「夏の暑さにイライラすると、よけいに暑くなるだけ。ゆったりとした気持ちでいれば、涼やかに過ごすことができる」と教えています。すぐに実践するのは難しいかもしれませんが、暑さにストレスを溜めず、夏を元気に乗り切りましょう。

睡眠を十分とって早起きすることで、気持ちをゆったりさせましょう 写真 PhotoAC
睡眠を十分とって早起きすることで、気持ちをゆったりさせましょう 写真 PhotoAC

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社監修の中医学情報サイト「COCOKARA中医学」より、一部改変して転載しました