できる問題を落とさないよう、解き方にもコツがあります ※写真はイメージです (c)GettyImages
できる問題を落とさないよう、解き方にもコツがあります ※写真はイメージです (c)GettyImages

 うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。今回は「テストで点を取りこぼさない方法」についてです。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。

【写真】偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さん

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 塾をやっていると、入学テストの過去問や、さまざまな予備校の模試の問題を見る機会が多くなります。その結果、多くのテストに関して思うのは、「時間内に全ての問題が解けるようには作られてはいないな」ということです。大抵、解くのに莫大な時間がかかったり、難解でほとんどの生徒が解けなかったりする問題を、最後(あるいは途中)に入れてあるのです。

 ほとんどのテストの傾向としては、最初に絶対に解けなくてはいけない、比較的簡単な問題が出題されます。しかし後半になればなるほど、「これは、よほど勉強している生徒でなければまず解けないだろう」という、やたら難しい問題が出題されます。

■難しい問題で、時間を浪費しないために

「全ての問題を解けるように作ってはいない」顕著な例として、東大の数学があります。「東大の数学は6問中2問正解できれば合格できる」なんていわれているのです。

 そのため、問題の解き方にコツがあります。難しく、時間内には解けない問題がずらりと並んでいるため、 まずは全体を見渡し、自分が解けそうな問題を探します。そして、そうした問題から手をつけて行きます。解けたと思った問題は、絶対に点数を落とさないよう、ひたすら見直しをします。後は、できそうな問題を少しずつ解いて、部分点を稼いでいけばよいのです。

 わたしも先日、大学受験に向けたある数学の模試を解いてみたところ、大問が問4まである中で、問2の終わりに難しい問題が出されていました。それを最後まで解いてみたところ、かなりの時間がかかってしまい、問3以降の、簡単に解ける問題にかける時間がほとんどなくなってしまいました。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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簡単な問題を落とすほうが「偏差値」に響く