スポーツ紙デスクは、巨人FAで獲得する選手が小粒になっていることが、低迷の一因であることを指摘する。

「梶谷はDeNAにいた時から故障が少なくない選手で、井納も先発ローテーションに入れない投手だった。陽岱鋼も日本ハムは全盛期を超えた選手という認識で評価が下がっていた。森福、野上も実力を過大評価した結果、補強策が失敗している。とはいえ、FAで他球団のエースや4番打者をかき集めることもできない。メジャーを目指す選手が増えて、資金力でもソフトバンクの方が巨人より上だからです。巨人に憧れる選手も少なくなった。少し時間はかかるかもしれませんが、育成に舵を切ってチームを強化した方がいいと思います」

 ソフトバンクの千賀滉大は海外FA権を行使し、メッツに移籍。オリックスも吉田正尚がポスティング・システムでレッドソックスに移籍した。今季日本記録の56本塁打を樹立し、史上最年少の22歳で三冠王を獲得したヤクルト村上宗隆も今オフに3年契約を結び、25年オフにポスティング・システムでメジャー挑戦の可能性が高い。

 日本球界を代表する選手たちが、巨人にFA移籍する時代は終わろうとしている。V奪回へ、現有戦力を鍛え上げるしかない。(今川秀悟)