オリックス・山下舜平大(写真提供・オリックス・バファローズ)
オリックス・山下舜平大(写真提供・オリックス・バファローズ)

 近年、積極的に若手を抜擢する球団が増えている印象があるプロ野球。今年もルーキー以外の選手では水上由伸(西武)、高橋宏斗中日)、高部瑛斗(ロッテ)、岡林勇希(中日)などが大きく成績を伸ばした。そこで今回は少し気が早いが、来年ブレイクが予想される選手を期待度順にランキング形式で紹介したいと思う。対象は来年のルーキー以外で、新人王の資格を有する選手とした。今回はパ・リーグ編だ。

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■5位:畔柳亨丞(日本ハム・投手・2021年ドラフト5位)

 中京大中京では高橋宏斗(中日)の1学年下で、3年春に出場したセンバツ高校野球ではエースとしてチームの準決勝進出に大きく貢献。この大会で右肘を痛めた影響と、上背の無さからドラフトでの順位は5位と上位ではなかったが、1年目から二軍で経験を積み、シーズン終盤には一軍デビューも果たした。躍動感溢れるフォームから投げ込むストレートは勢い十分で、コンスタントに150キロ前後をマークする。変化球が一軍の打者に通用するかは未知数だが、二軍ではイニング数を上回る奪三振も記録した。チームは中継ぎ、抑えが大きな課題だけに、セットアッパー候補として楽しみな存在である。

■4位:山下舜平大(オリックス・投手・2020年ドラフト1位)

 福岡大大濠では下級生の頃から評判の大型右腕で、ドラフト1位でプロ入り。1年目から二軍では多くの登板機会を与えられると、2年目の今年はシーズン終盤に急成長を見せ、登板こそなかったもののクライマックスシリーズでは先発候補に挙げられ、ベンチ入りメンバーにも入った。高校時代から堂々とした体格だったが、プロでさらに体つきが一回り大きくなり、それに比例して投げるボールもスケールアップしている印象を受ける。シーズン終了後に足首の手術を受けたのは気がかりだが、将来のエース候補としてチームの期待も大きいだけに、来年は一軍での活躍に期待したい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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