【タイプ3】イライラや憂うつ感が強い「肝(かん)」の不調タイプ

<気になる症状>
憂鬱、怒りっぽい、胸や脇腹の脹り・重苦しさ、偏頭痛、関節痛、耳鳴り、冷えのぼせ

<改善ポイント>

 精を貯蔵する「腎」と血を貯える「肝(かん)」は、互いに補い合う臓器。
 そのため、加齢によって腎の機能が低下すると、肝に貯える血も減ってしまいます。“陰”の要素である血が不足すると、肝には余分な熱が発生し、些細なことでもイライラしたり、怒りっぽくなったりします。また、肝には「気」の流れを整えてストレスをコントロールする働きがありますが、強いストレスを受けるとその機能が低下。気の流れが滞ってストレスを上手く発散できず、さらに血の巡りも悪くなる淤血(おけつ)が発生して痛みの症状が現れることもあります。

■ポイント! 更年期は生活を見直すチャンス。心身ともに元気な毎日を。

 更年期の症状には個人差がありますが、心身が疲れていると症状も強く出る傾向があります。更年期に入る時期は、長年の生活習慣の積み重ねで心にも身体にも疲労が溜まっていることが多いもの。日本女性の平均寿命は87.74歳(2020年、厚生労働省集計)で、更年期以降も25年以上の人生が待っています。セカンドライフを充実して過ごすためにも、ぜひこの時期を生活習慣見直しのチャンスと考えて、心も身体も元気に整えておきましょう。

<摂り入れたい食材>
基本の腎を補いながら、鬱を発散させて気・血の流れをよくする食材を:
クコの実、菊花茶、ハマナスの花茶、キンモクセイの花茶、ジャスミンティー、鶏肉、豚ヒレ肉、そば、栗、黒きくらげ、ブルーベリー

■更年期をラクにする暮らしのポイント

◎ウォーキングや登山、水泳など、積極的に身体を動かしましょう
◎散歩や買い物など、こまめに外出して気分をリフレッシュ
◎友だちをつくって気軽におしゃべりを
◎症状がつらいときは、我慢せずに周囲に話すことも大切
◎身体にやさしい、バランスのとれた食生活を心がけて
◎アルコールは控えめにして、リラックス効果のあるお茶などを

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社監修の中医学情報サイト「COCOKARA中医学」より、一部改変して転載しました