旧統一教会の組織票が自民党の候補者に分配されていたという自民党議員の証言が報じられたが、組織票について一家言ある議員がいる。先の参議院選挙で、約53万票を取って当選した自民党の赤松健氏だ。自身を「オタク票の受け皿」と自認する。郵便局や医師会、はたまた宗教でもないオタク票とは?
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いまSNS上で、こんな投稿が散見される。
<統一教会の組織票はたった8万票。オタク票は53万票だ>
<旧統一教会を切って、オタク票を取り込めばいい>
7月の参院選で初当選した赤松健議員はこう指摘する。
「先の参院選で、票田としてのオタクは間違いなくあることが改めて証明されました」
赤松議員は『ラブひな』『魔法先生ネギま!』といった作品で知られる現役の漫画家だ。参院選では「マンガ・アニメ・ゲームの表現の自由を守る」との公約を掲げ、自民党の比例区から出馬し、約53万票を獲得して当選した。
この得票数は、全政党の比例候補者の中でもトップ。特定の組織から支援を受ける自民党候補者の得票数と比べても、その存在感がうかがえる。
全国郵便局長会から支援を受けた長谷川英晴氏の得票数は約41万、日本医師連盟の支持を受けた自見英子氏は約21万、神道政治連盟の支持を受けた山谷えり子氏は約17万だった。
赤松議員はこう見る。
「業界団体や宗教団体などからの組織票は年々減ってきている一方で、オタク票は自民党内でも一目置かれる存在になっている。マンガやアニメはかつてはサブカルという位置づけでしたが、今はメインカルチャーになっています。アニメの話をすれば、世代や性別を超えて仲良くなれますし、岸田文雄首相も『鬼滅の刃』を読破したと公言するほどです。アニメやマンガ好きの“オタク”はもはやマイノリティーではありません」
実は、今回の参院選挙では、このオタク票を巡って各党から候補者が乱立し、まさに激しい戦いが繰り広げられていた。