「各球団によって外国人野手の獲得について好みも出ている。例えばDeNAはソト、オースティンという2人の大砲中心の攻撃野球を目指しているが、打てなければ勝てない。ヤクルトもかつてはハウエルやペタジーニなどを擁した時代はそうだった。しかしそういった選手が結果を残すとマネーゲームで他球団に移籍してしまう可能性もある。そうなると、現状のようなスケールは小さくとも適材適所の外国人を選択することになる。それが奏功している」(ヤクルト担当記者)

 助っ人補強はあくまで現在のチームに必要な部分を埋めるためであり、過度の期待をせずに補強している部分も大きい。プロ野球の歴史を振り返ると、勝てる球団は外国人選手が上手く作用している場合がほとんど。しかし、入団1年目のルーキー以上に活躍するかが未知数なのが外国人選手だ。ヤクルトは助っ人の補強が上手な球団ではあるが、そこに依存しないことも想定してチーム作りをしているという。

 また、今年は開幕から好調だったサンタナが左半月板のクリーニング手術を受け、シーズン序盤に長期離脱することが決定。そこで、すぐに“代役候補”となるキブレハンの獲得に動くなど、決断力の早さも目立つ。

 一方で助っ人が低迷の大きな要因になっているの阪神だ。今季はシーズン途中から調子を上げてはいるが、それでも現在リーグ4位。2020年のオフに鳴り物入りで来日したロハス・ジュニアは今年で2年目となるが、これまで目立った成績は残せていない。韓国リーグで大活躍した大砲は推定250万ドル(約3億4000万円)の2年契約と大きな期待を持って迎えられ、彼を主軸にすることで勝てるチーム作りを目指してはいたが……。

「昔からヤクルト、DeNA(大洋時代を含む)は堅実だった。中日の中南米ルートもいまだ健在。巨人も古くはクロマティがいたし今年はウォーカー活躍している。外国人野手に関して言えば阪神が一番外している。助っ人は(成功率の高い)投手だけにした方がいいかもしれない」(阪神担当記者)

次のページ
阪神が今後強くなるには“編成”のテコ入れ必要か