今季が来日2年目となるヤクルト・オスナ
今季が来日2年目となるヤクルト・オスナ

 ヤクルトが2年連続の日本一へ向け強さを発揮している。他球団を寄せ付けない戦いぶりでセ・リーグ首位を独走(7月5日終了時点で2位巨人に12.5ゲーム差)。主砲の村上宗隆だけではなく若手からベテランまでチーム全員が躍動し、誰もが求められた仕事を確実にこなしている結果が勝利に結びついている。

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 7月2日には早々と優勝マジック53が点灯。この勢いは止まりそうになく、他チームは3位以内に入ってのクライマックスシリーズ進出が現実的な目標になってきている。

 野球解説者の落合博満氏も、マジックが点灯した翌日3日のTBS系サンデーモーニングにて「エース級をヤクルト戦にぶつけていくしか、もう手だてはなくなってきたような気はしますね。それで5球団で追っかけるというような形にしてこないと、このままではシーズン終わっちゃいますよ」とヤクルトが頭一つ抜けているとコメントしている。

 落合氏は一方で「まだシーズンは終わっていない」とも発言してはいるが、ヤクルトがこのまま突っ走る予感が漂っている。

 選手たちの素晴らしいパフォーマンスや、高津臣吾監督の手腕などが強さの理由として挙げられるが、助っ人補強を中心としたチーム編成のビジョンにも勝てる要因が表れている。

「ヤクルトは出場している9人全員が状況に応じて、すべきことをしている。特に攻撃面では外国人選手への依存度も低い。仮に調子が悪くて試合に出られなくても打線が弱体化しない。他球団は外国人野手の打撃に過度な期待をする場合が多い。打率、本塁打、打点はどのくらいかと計算してしまう。結果を出せば良いがそうでない場合に大きな痛手を被る」(在京球団編成担当)

 ヤクルトはかつてから外国人選手の補強については“巧者”と言われてきた。最近では日本のプロ野球の評価も上がり、大物助っ人の来日も増えたが、ヤクルトは知名度だけではなくあくまで“ハマる”選手を獲得しているという。現在野手で所属しているオスナも一塁が主だが三塁と外野も守れるユーティリティプレイヤーで、打撃だけに特化しておらず、守備でもチームに貢献できる選手だ。

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助っ人補強の上手さがチーム成績を左右?