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 私がYouTubeやYouTuberに関連するコラムを書き始めて2年ほどになります。反響が多いトピックの一つは「YouTuberとお金」についての記事です。

【写真】YouTubeチャンネルの閉鎖を発表した人気タレント

 先日、登録者数208万人の「ぷろたん日記」を運営するYouTuberのぷろたんさんが、最近は広告収益の単価が「めちゃめちゃ下がりました。今、YouTuber全体やばいと思いますよ」と語っていました。。今が一番瀬戸際で、苦しい時代のようです。彼は、8年ほどチャンネルを運営しているベテランYouTuberです。長い経験からくる発言であり、彼のチャンネルに起こっている広告収益の低下は事実だと思います。では、全体としてYouTuberは苦しい時代になっているのでしょうか。私は、「一概にはそうではない」と考えます。

 YouTuberの収益源として有名なのは、動画の間に流れる広告による「広告収益」です。これをメインの収益としているYouTuberも多くいます。スマートフォンの普及以降、インターネット広告の出稿数は年々増加しています。YouTubeも例外ではありません。YouTubeの2021年第4四半期の広告収入は、前年比25.4%増の86億3000万ドル(今のレートだと約1兆1732億円)だそうです。前年比から25%も増しているのは、コロナ禍により在宅で過ごす時間が増え、YouTubeを利用する頻度が増えたためという見方もできます。

 いずれにせよ、広告の出稿数は増加しています。2021年通年のYouTubeの広告収入は、288億ドル(約3兆9153億円)で、「YouTubeには広告収入として年間4兆円近い売上がある」ことが読み取れます。日本国内でも、インターネット広告の出稿数や動画広告市場は拡大しています。長々と数字の話をしましたが、端的に言えば「YouTubeの広告の数は、増えている」ということです。しかしながら、「コロナ禍で広告収益が減った」という記事があったり、冒頭のぷろたんさんのように、「最近は広告収益が落ちた」というYouTuberもいたりします。

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