日本で大騒ぎになっていたため、帰国して説明してはどうかというAさんに、

「インドネシアにとどまって養殖などの事業を続けたい」

 と主張したという谷口容疑者。

<(インドネシアの)会社の株はぼくが最初から85%保有しています。

(インドネシア側の)彼らは乗っ取り不可能な状態です>

<資金があれば、もっと養殖できる>

 と言い張るメッセージも残っていた。

谷口容疑者とAさんとの対話型アプリでのやりとり。Aさんに投資を促す
谷口容疑者とAさんとの対話型アプリでのやりとり。Aさんに投資を促す

「谷口容疑者は、持続化給付金の詐欺をビジネスといい、背後には誰か操るような人物がいるような話をしていた」

 とAさんはいう。

 捜査関係者によると、

「すべての指示は谷口容疑者から出ていたとみられ、もうけたカネの大半も谷口容疑者が受け取ったと家族も説明している。持続化給付金のカネの原資は税金。それをだまし取って投資にあてていたようだ。日本に送還後、詳しく調べる」

 とのこと。

 谷口容疑者は今月中にも日本に移され、詐欺容疑での調べが始まる見込みだ。

(AERAdot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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