「持続化給付金でもうけたようで、1年ほど前かな、またインドネシアに行きます、と渡航するようになって、SNSで『エビ、ナマズの養殖や養豚をしている。投資してほしい』と動画を送信してきましたよ」(Aさん)

 以下は、谷口容疑者からAさんに、対話型のアプリで送ってきた主な事業の内容だ(原文ママ)。

<1 地域 西スマトラ・パダン

事業 海老養殖場 現在2ha 電気引き込みしたら完成。隣地の土地をすでに契約済み、また敷地は増やし、拡大したい。養殖期間は1回4か月で出荷>

<2 地域 西スマトラ・パダン

現在ナマズの養殖は稼働しついます。今後魚のテラピア養殖をします。既存池をレンタルしています。インドネシアには、池はたくさんあり、レンタルまたは買取できます。養殖期間は3カ月。池清掃後に再養殖>

<3 地域 中部ジャワ・ソロ 事業 豚家畜 現在動画のように稼働しています。豚肉の価格は高く、日本のUS(アメリカ<編集部で注>)豚の2倍から3倍の値段です。言うまでもなく、こちらは餌や人件費が安いため利益率はよいです>

<西ジャワ・タンゲランですでに契約支払い済みの豚家畜があり、今後、子豚を買い、稼働したい>

<他にたくさんの事業案件が来ていますが、資金が足りず困っており、資金さえあれば事業拡大が可能です。現地案内はいつでも可能です>

 養殖場から大量の海老を引き揚げて選別する様子や、ナマズの養殖場などの動画もつけられていた。

谷口容疑者とAさんとの対話型アプリでのやりとり。現在稼働中の養殖業などをを説明している
谷口容疑者とAさんとの対話型アプリでのやりとり。現在稼働中の養殖業などをを説明している
谷口容疑者とAさんとの対話型アプリでのやりとり。事業を紹介し、養殖場の動画もつけている
谷口容疑者とAさんとの対話型アプリでのやりとり。事業を紹介し、養殖場の動画もつけている

 Aさんは谷口容疑者の提案に、「検討する」と答えていたが、ほどなくして谷口容疑者の家族が逮捕され、本人も指名手配されたとのニュースが飛び込んできた。

「投資を求めてきたのにどういうことだ」と怒ったAさんは5月31日、谷口容疑者がインドネシアに逃亡しているというニュース記事を、谷口容疑者に送信した。

 すると谷口容疑者は電話をかけてきて、

「持続化給付金のビジネスはしていたけど、問題はないです。日本のニュースはオーバーに書いている。10億円もだましていないし、自分はそんなにもらってない。ただ、持続化給付金で得たカネはインドネシアに持ってきて投資している」

 などと話したという。

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給付金詐欺のことを「ビジネス」と言っていた