「制服で個性を縛る時代ではもうないと思います」(埼玉・高2女子父)

「毎日同じ制服を着るのは不潔」(東京・中3女子母)

「勉強に関係ない」(秋田・中1女子父)

「私服の方が体調や気分、TPOに合わせて服を選べる」(東京・中1女子母)

「制服は夏冬の寒暖に対応できない」(千葉・高3女子母)

「3年間しか着ないうえ、値段が高く、子どもが動きにくいと言っている」(大分・中3男子母)

 全体の3分の1に及ぶ「どちらともいえない」という回答も、「賛成派と反対派のどちらの意見も理解できるため」(神奈川・高1女子父)というニュアンスのものがみられた。

「人それぞれ価値観が異なるので、一概に言えない」(大阪・高3女子母)

「自分には制服が必要か? 考えても結論が出ないから」(長野・中1女子父)

「制服が好きな人もいると思う。ただ制服に縛られて生きづらい人もいると思う」(東京・高1男子母)

「制服があると、毎朝、服装に迷わなくていいが、個性や自主性を育む機会が奪われているのではないか、とも思う」(石川・高3男子母)

 小林さんは、回答全体をみてこのように話す。

「保護者には、学生は制服を着用すべき、という考えが根強くあることを感じます。とても気になったのは、みんなと同じ服装にしなければならない、という発想があちこちににじみ出ていたこと。女子生徒にスカートを着させたい理由について(※前編で紹介)も同じことを感じました」

 小林さんはこう続けた。

「保護者は自分が学校に通っていた時代の価値観や考え方、道徳に縛られてしまっている。制服に限らず教育全般に言えることですが、保護者が自分の経験を子どもに当てはめても、あまりいい結果には結びつきません。制服の問題について、誰もが満足、納得できる結論を見いだすのは難しいですが、時代の変化に合わせるということがやはり大切ではないでしょうか」

<前編・「女子生徒のスラックス制服、「抵抗なし」が6割超 中高生の保護者2000人アンケート」から続く>

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)