さらにうれしいおまけとして。このプレッシャーから解放されると、緊張でこわばりがちだった表情も柔らかくなっていきますので、印象もソフトに。

 そう、いつもなんだか「感じがいいな」と思う人は、会話が途切れたときも決して焦っていません。むしろ「ごゆっくりどうぞ」というその余裕ある様子が、一緒にいる相手を心地よくさせているのです。

 さて、ここからは余談です。適度な「間」は、ちょっとおもしろいことを言っちゃおうかなと勇気を出してボケたときにも必要不可欠です。「あれ、おもしろくなかったかな?」と不安になっても、間髪を容れずすぐ話し始めない。せっかく笑ってもらえる瞬間を自分で潰してしまうようなものですから。

 ボケた後はしっかり「間」をとること。相手が反応できるスペースをあけておきましょう。ウケなかったらウケなかったで、その「シーン……」自体がいい味になってくれます。

【ここまで聴いてくれたあなたへ】
沈黙は、悪くない。
「お互いの理解のための必要な時間」と考える。

(構成/小川由希子)

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秀島史香

秀島史香

秀島史香(ひでしま・ふみか)ラジオDJ、ナレーター。1975年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。慶應義塾大学在学中にラジオDJデビュー。映画、テレビ、CM、美術館音声ガイドなど多岐にわたり活動している。現在FMヨコハマ『SHONAN by the Sea』、NHKラジオ『ニュースで学ぶ「現代英語」』、NHK Eテレ『高校講座 現代の国語』などに出演中。著書に『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』『なぜか聴きたくなる人の話し方』(共に朝日新聞出版)。ハスキーで都会的な声質、あたたかい人柄とフリートークが、クリエイターからリスナーまで幅広く人気。

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