巨人は菅野智之以降、絶対的なエースが不在となっていたが、ここにきて20代前半の若手投手が揃ってきた。右の先発では先述した堀田(20歳)のほか、戸郷翔征(22歳)、山崎伊織(23歳)、赤星優志(22歳)と将来のエース候補がズラリとならぶ。左の先発も昨季11勝をマークした高橋優貴(25歳)、ドラフト2位ルーキーの山田龍聖(21歳)も評価が高く、横川がそこに加わってくれば、強力な“投手王国”の形成も夢ではない。原辰徳監督は今春キャンプで頻繁に二軍視察に訪れブルペンで若手投手たちに熱視線を送っていたが、横川に対してもかなり大きな期待をしているようだ。

 一方、昨シーズン開幕前に“パンチパーマの新人”として見た目でも注目された矢野も2年目の巻き返しが期待されている。

「矢野は自主トレでの新型コロナウイルス感染で出遅れてしまったのが残念です。しかし俊足、強肩を生かした守備力の高さはチーム内でもトップクラス。主砲・鈴木誠也が抜けたこともあり、広島は投手力を中心に少ない得点を守り抜く細かい野球を目指している。使い勝手が良い選手なので他選手との絡みでは早い時期の一軍昇格が予想されます」(広島担当記者)

 昨シーズンのオフには菊池涼介に弟子入りして静岡県内で自主トレを敢行。スピードを売りとする似たようなプレースタイルの羽月隆太郎も参加しており、お互いに切磋琢磨しながら充実した時間を過ごしていた。

 矢野は20年のドラフト6位で亜細亜大から広島に入団。大学時代は1年春からリーグ戦に出場し、3年秋のリーグ戦では打率.415で首位打者を獲得した。持ち前の明るさとガッツ溢れるプレーでチームを引っ張り4年時にはキャプテンを務めた。遠投130mを誇る強肩と50m走5秒9の俊足を生かし本職の内野に加えて外野にも挑戦している。

「試合に出たいという強い意志はプロ向き。昨年話題になったパンチパーマにしても目立とうという気持ちが伝わる。チーム状態が悪い時などは流れを変えるためにも元気がある矢野のような選手はチームの武器になる。また広島の内野陣は攻守において盤石だが、外野陣に関しては打てる選手はいるが守備面は心許ない部分もある。外野守備が上達すれば試合の出場機会は間違いなく増える」(在京球団編成担当)

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2人の今後の活躍に期待