巨人・横川凱(左)と広島・矢野雅哉(写真提供・読売ジャイアンツ/広島東洋カープ)
巨人・横川凱(左)と広島・矢野雅哉(写真提供・読売ジャイアンツ/広島東洋カープ)

 昨シーズン開幕前に“ブレイク候補”として話題となった巨人・横川凱と、広島・矢野雅哉。

 ともに期待には応えられずシーズン終了となったが、評価の高さは変わらない。今年も各球団に楽しみ選手が現れつつあるが、横川と矢野の動向を気にかけている関係者は多い。

「選抜高校野球で母校・大阪桐蔭が圧倒的な強さで優勝したこともあって横川の名前が再び表に出始めた。育成や二軍レベルではずば抜けたボールを投げている。早い段階で支配下登録されることは確実視されており、本人の調子やチーム状況によっては今季中の一軍登板の可能性すら囁かれています」(巨人担当記者)

 横川は18年に根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)、柿木蓮(日本ハム)らとともに甲子園春夏連覇に大きく貢献。同年のドラフト4位で巨人に入団した。今年の選抜で大阪桐蔭の左のエースとして活躍したプロ注目の前田悠伍は、ボーイズリーグ・湖北ボーイズ(滋賀)の後輩で「(横川の)背中を追いかけている」と公言している。同じ道を歩み、プロ入りが確実視される前田に今年はプロで活躍する姿も見せたいところだ。

 今季プロ入り4年目を迎える左腕は、1年目は主に三軍で身体作りに励み、2年目は二軍で7試合に登板して、1勝1敗、防御率3.48の成績をマーク。同年11月8日のヤクルト戦ではプロ初登板初先発を果たし、5回1失点と好投した(勝ち投手の権利を持って降板するも白星はつかず)。3年目の昨年はさらなる飛躍も期待されたが、2軍で18試合に登板して、6勝3敗、防御率4.03の成績。一軍では2試合に先発したが、オフに戦力外となり育成で再契約となったことで世間を驚かせた。

「故障や実力不足ではなく戦略的な戦力外だと見られています。FA選手獲得を想定して人的補償対象から外すためだった可能性があります。巨人投手陣は平均年齢が高く次世代の選手を育成することが急務で若手投手を手放したくない。トミー・ジョン手術を受け育成から支配下登録された堀田賢慎がプロ初勝利を挙げたこともあり、近い将来に投手王国ができそうな雰囲気がある。横川もその中の1人になれる可能性は高い」(在京球団編成担当)

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矢野が求められる“役割”は?