巣ごもりでおうち時間が増える中、ある“工作のプロ”がYouTubeに進出して話題を集めている。「わくわくさん」こと、久保田雅人さん(60)だ。
NHKの教育番組「つくってあそぼ」で1990年から2013年にかけて活躍。ノッポさんが出演した「できるかな」の後継番組であったことから、平成に子ども時代を過ごした人にとっては「ノッポさん」のような存在だ。記者(28)もハサミとのりを手に番組を見て育ったため、わくわくさんはなじみ深い。実は劇団の役者としての活動や、アニメ「タッチ」の声優をしていた意外な過去も。還暦を迎えた今、青春時代から現在までの半生を振り返ってもらった。
* * *
――YouTubeチャンネル「わくわくさんの工作教室」で親子向けに工作動画を投稿されています。YouTubeを活動の場に選んだのはどうしてでしょうか。
NHKの番組終了後、雑誌で工作の作り方を解説させていただく機会がありましたが、動きを伝えることができず、難しさを感じていたんです。たとえば紙コップのロケットが飛ぶところなどは、動きがないと面白みが伝わりづらい。YouTubeの映像で動きを見せることで、工作の面白みがもっと伝わるのではないかと思って始めてみました。
――テレビと比べて、工作の解説の仕方に変化はありますか。
番組の時は制約上、材料になる商品名や、どこで売っているといった情報は出せなかったのですが、YouTubeであれば詳しくお伝えすることができます。これは大きなメリットですね。
ただ、テレビでは隣にゴロリ君がいましたが、今は一人。二人で遊ぶゲームをお見せしたいなと思っても、いません(笑)。面白さを伝えるうえでの工夫が必要だなと感じています。
材料についての最近の悩みは、ストロー問題です。最近のストローは紙になってきているので、工作しづらいんです。プラスチックなら形状を保ちながら曲げることができますし、曲がるからこそできる工作がいっぱいあるんですけど、紙だとできなくなりますからね。もちろんプラごみ問題を考えれば当然の流れですが、材料の変化に合わせて工作しなければいけないので、どう変えていくか模索中です。
――工作のアイデアはどのように得ているのでしょうか。
私は30年以上、いかにも自分が工作を考えたようにやっていますが、すべて、造形作家・ヒダオサム先生のアイデアなんです。