野手でここまでアピールが目立つのが万波中正(日本ハム)と小幡竜平(阪神)の2人だ。万波は中学時代から評判の選手だったものの、高校では確実性に欠け、甲子園でも目立った活躍を見せていない。しかしプロ入り後は1年目から二軍でいきなり14本塁打を放つと、昨年は一軍で初ホームランを含む5本塁打を記録。そして今年はここまでのオープン戦で5本塁打、11打点と二冠王の活躍を見せているのだ。持ち味だったパワーに加えて、ボールをしっかり見極められるようになったところに大きな成長が感じられる。多くの主力が抜けたということも万波にとって追い風となりそうだ。

 小幡は3年春の選抜に出場し、ドラフト2位という高い順位で阪神に入団。1年目から二軍で99試合に出場すると、2年目には早くも一軍で28安打を放つ活躍を見せている。昨年はルーキーの中野拓夢の活躍もあって出場試合数を減らしたが、二軍ではいずれもチーム2位となる70安打、14盗塁をマークした。今年は中野が故障で出遅れたこともあって、オープン戦でここまで3割近い打率を残し、盗塁も2つ決めている。守備が課題のチームにあって、その脚力を生かした守備力は非常に貴重な存在だけに、大きく成績を伸ばすことも十分に考えられるだろう。

 そして注目のミレニアム世代は高校からプロ入りした選手だけではない。社会人を経由して昨年のドラフトで指名された選手では水野達稀(日本ハム)にレギュラー獲得の期待が高まっている。171cmと小柄ながらスピードとパンチ力を備えた内野手で、JR四国では都市対抗、日本選手権の大舞台でも活躍。キャンプからアピールを続け、オープン戦でもここまでチームで万波に次ぐ9安打を放ち、打率.375をマークしている。日本ハムのショートはここ数年、中島卓也が成績を落とし、石井一成もレギュラーと呼ぶには物足りない状況が続いているだけに、水野が一気にレギュラーをつかむことも十分に考えられるだろう。

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今年のドラフトでは注目の“ミレニアム世代”