チャートの例では、根治性を高めるため肺葉切除を選択した。

 肺がんのアプローチ方法には、三つの手術がある。開胸手術には、視野が広く、直接病巣を確認できるという利点があり、がんは小さいが転移したリンパ節が大きい場合などに適する。

 I期では、胸腔鏡手術がおこなわれることが多い。ロボット手術は、2018年からおこなわれているが、まだ実施できる病院は少ない。胸腔鏡手術とロボット手術では、根治性や安全性、手術後の経過に大きな差はなく、同等と考えられている。

  病院選びについては両医師ともに、心筋梗塞の病歴があるなど重い併存疾患のある高齢の人では、循環器内科などほかの診療科がそろう病院がいいという。

 手術数はどうだろうか。

「年間100~150あれば、相当の経験があり、問題なく手術をおこなえると思います」(森医師)

 ランキングの一部は特設サイトで無料公開しているので、参考にしてほしい。
「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/

【取材した医師】
岡山大学病院 第二外科 教授 呼吸器外科 診療科長 豊岡伸一 医師
日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第一病院  呼吸器外科 部長 森 正一 医師

(文/山本七枝子)

※週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2022』より