ところが、背番号44について、「どういうふうに思われましたか?」の質問が飛ぶと、返ってきた答えにみんな「???」となった。

 ふつうなら、かつての阪神の主砲・バースや前身球団の南海時代に門田博光も着けたことがある強打者の番号にちなんで、「自分もそういう選手になれるよう頑張ります」と答えてもおかしくないはずなのだが、柳田はしばし考えた末、「シシマイ…ですか?」。

 もちろん会場は大爆笑。44を「シシ」と読んだのは推測がつくが、司会者がさらなる説明を求めると、柳田は「特に……」「シシマイって感じ」「ちょっとわかんないです」と答えにならない答えに終始し、シシマイの謎が明かされることはなかった。

 球界でも有数の天然キャラは、入団時から“グレート”だった。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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