木下富美子都議
木下富美子都議

12月10日の冬のボーナス支給を控え、木下富美子都議(55)をめぐり地検が動いた。

【写真】”逃走中”の木下都議に辞任を呼びかけるかつての大物支援者

 東京地検は19日、5月から7月にかけて計7回、東京都板橋区や新宿区で無免許運転を繰り返したとして、木下氏を道路交通法違反の罪で在宅起訴した。その一方、問題となっていた7月の”当て逃げ”は不起訴となった。

 12月10日には、都議たちにおよそ204万円の冬のボーナスが支給される。木下氏はかたくなに辞職しない意向を示しているが、4年前の木下氏の初当選の時に応援した東京地検出身で元衆院議員の若狭勝弁護士は「在宅起訴が辞職に踏み切るいいタイミング」と話した。

 2017年の都議選で、都民ファーストから出馬し、初当選した木下氏。街頭演説で応援した若狭弁護士はこう振り返る。

「当時、木下氏は頼りがいのある感じがしたし、期待していました。私も真剣に、力を入れて応援していました。駅前での街頭演説は一度だけではなく何度かしましたね。集会にも出席しました。それだけに今回は非常に残念です」

 木下氏は今年7月2日、東京都板橋区高島平3丁目の交差点で、免許停止中にもかかわらず、無免許運転で衝突事故を起こして逃走したなどとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(報告義務違反)の容疑で書類送検されたが、こちらは不起訴と判断された。

 木下氏は公式ホームページで、被害者には「10月半ばに示談をお受け頂きました」と弁明していた。若狭弁護士は不起訴になった理由をこう考える。

「被害者のケガがそれほど重いものではなく、示談ができているということが背景にあったからでしょう。ケガが重かったら違っていたかもしれない」

 7回の無免許運転で在宅起訴となったが、禁固以上の実刑が下ると都議を失職することになる。どんな量刑が予想されるのか。

「これまでは、木下都議も、罰金程度で済むのではないかと思って動いていたふしがある。おそらく、罰金では済まないと思います。無免許でしかも常習性がある。地検側からは懲役刑が求刑され、判決も懲役刑になる可能性が高いと思います。ただし、執行猶予はつくと思います」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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