「とてもやりがいのある仕事」

 と言っていました。

 なお、今から5~6年ほど前までは、歯科衛生士は「寿退社」が当たり前でした。しかし、最近は結婚や出産後も働き続けるのが一般的です(このため、歯科衛生士が若い女性ばかり、という歯科医院は減ってきているはずです)。

 いったん、仕事をやめてしまった場合も、関連学会がさまざまな復職支援をしているので、現場に復帰しやすいこともあります。

 私は個人的に、結婚、出産はこの仕事にプラスに働くと考えています。離婚も例外ではありません。歯科医院には年齢も職業も違う、さまざまな人がやってきます。人生経験が豊富であるほど、患者さんを理解し、深く接することに生かせると思うのです。

 歯科衛生士になるには短期大学や専門学校などの養成所で3年間、学ぶ必要があります。

 最近は4年制大学で学べるところも増えてきました。また、働きながら夜間で学べる学校もあり、さまざまなルートから歯科衛生士になる道が開かれています。

 歯科衛生士の仕事は近年、介護施設や一般の病院などまで、さまざまな場で必要とされています。このため、まだ数は不足しています。超高齢社会の日本で、今後ますますその役割が期待されていることは間違いありません。

 ただ、子どものころに歯科医院に通った経験が少なければ、歯科衛生士という職業に接する機会が少ないのも事実です。

 関連学会では仕事紹介のDVDを作製し、高校に配布するなどして、その職業の魅力を伝えようとしています(当院も協力しました)。多くの若者にぜひ、歯科衛生士の仕事に興味を持ってほしいと思います。

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若林健史

若林健史

若林健史(わかばやし・けんじ)。歯科医師。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演。AERAdot.の連載をまとめた著書『なぜ歯科の治療は1回では終わらないのか?聞くに聞けない歯医者のギモン40』が好評発売中。

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