昨年3月22日のプロアマ交流戦では早稲田大に敗戦直後、選手に1時間の罰走を命じた。これに対しては、ダルビッシュ有(パドレス)が自身のツイッターで苦言を呈したことで大きな話題となった。また、今年8月9日のファームでのヤクルト戦では指の皮が剥けた投手に続投指令を出したこともあった。熱心さゆえに“パワハラ”と一部で言われてしまう指導をしてしまうこともある。今はその都度、選手や周囲の反応を見ながら指導方法を模索し、来るべき阿部新監督誕生に備えて日々経験を積んでいる段階だ。

 昨年9月には虫垂炎手術のため入院した元木大介ヘッドコーチの代行を務め、今季も10月3日に二軍が公式戦全日程を終了したため、5日から一軍作戦コーチに配置転換されベンチ入りをしている。二軍で指導してきた選手も一軍で数多くプレーしているため継続的な指導ができるのは大きい。またCSから日本シリーズへの逆襲に向けムードメーカー的役割も期待されている。

「ベンチでの存在感が大きい。チーム状況もあり沈みがちだったムードが一変した。巨人の一時代を背負ってきた男がいるだけで雰囲気が華やかになる。短期決戦に向けての戦い方も熟知しているので大きな戦力になってくれるはず。連敗などチームの悪い部分は全部出ているのであとは上がるだけ。慎之助は現役時代から“持っている男”。大逆転、下克上へ向けても欠かせない男です」(巨人関係者)

「原監督の実績、経験は現在のNPB内で屈指のもの。最悪の状態にあるチームを立て直す術を真横で見ることができるのは大きな財産になる。将来の阿部監督誕生は間違いない。その時に向け過渡期の巨人を体験しておくことは二軍監督とは別の大きな経験。また阿部コーチが合流して日本一になれば話題にもなる。テレビ的には数字も期待できるので、ここからの巻き返しに大いに期待しています」(在京テレビ局スポーツ担当)

 優勝争いを演じている中での失速を見せられ誰もが感情的になるのもわかる。しかし球団は長い視点で監督人事を考える必要がある。タイミングを間違えば高橋監督の二の舞にもなりかねない。そういった意味では阿部新監督誕生はまだ早いのかもしれない。