高橋前監督の時代には岡本和真を我慢して起用し続け現在の柱を作り上げたが、チームが勝てないことで批判もあった。それもあってか、期待の若手たちを一人前に育て上げてから次期監督にバトンタッチしようということもあるのかもしれない。

「岡本を育てた高橋前監督の手腕は大きいが勝てないことで批判された。巨人生え抜きのスターが泥を被った形となった。(原監督が)来季も続投する方向で動いているのは(次期監督候補の)阿部コーチを守る意味もあると言われます。また現役引退直後に二軍監督になり指導者として2年しか経っていない。天才タイプで若手の頃から表舞台しか知らない阿部コーチに、もう少し勉強をさせたい意向もあったはず」(在京テレビ局スポーツ担当)※阿部二軍監督は10月に一軍作戦コーチに配置転換

 阿部コーチはアマチュア時代から能力を高く評価され、中央大時代の00年にシドニー五輪日本代表に選出。00年ドラフト1位で巨人に入団すると1年目から開幕スタメン出場を果たし、現役通算19年で2132安打、406本塁打、1285打点の打撃成績を収めた。捕手としても年々評価を高め球界を代表する「打てて守れる」捕手になった。

「阿部コーチのように若い頃から結果を出してきた選手は努力も当然だが才能に恵まれている。二軍監督就任直後は自身の感覚で指導することが多く野球理論についていけない選手もいた。また年代的には根性論が残っていた時代の選手。議論を呼んだ罰走など、ジェネレーションギャップにも苦しんでいる。捕手、打者以外のポジションに関する勉強やアスリートの身体やメンタルを含め勉強すべき部分も多い。若手有望株が多いからこそ良い状態で監督に就任して、巨人軍の歴史に残る名監督になって欲しい」(巨人担当記者)

「指導者への就任当初は現役時代の自分の色が出る。慎之助は天才的感覚で結果を出せたから指導方法もそこからのスタートになる。他コーチ陣のやり方を間近で見るのは大きな勉強になる。例えば元木大介ヘッドコーチや宮本和知投手チーフコーチは気持ち部分で乗せるのが上手い。桑田真澄投手チーフコーチ補佐は野球理論に長けており選手を納得させることができる。(一軍作戦コーチへの配置転換は)自分と違うコーチング方法に触れさせる意味もあったのではないか」(巨人関係者)

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批判もあった指導法は変わりつつある?