今やチケットが入手困難な横浜スタジアムで行われるDeNA戦 (c)朝日新聞社
今やチケットが入手困難な横浜スタジアムで行われるDeNA戦 (c)朝日新聞社

 横浜スタジアム(=ハマスタ)で行われるDeNA戦の人気が止まらない。

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 その理由は球団努力と球場自体の魅力にある。今や人気チームの巨人阪神、広島などの主催ゲームを凌駕する『行きたい』球場になった。

 当然、一般発売での入手は困難で、最も“取ることができない”チケットになりつつある。

「DeNA戦のチケット問い合わせはずば抜けて多い。当店もそうだがネット上などを探しても見つからない状態。コロナ禍で入場者の制限がなされているのもあり、まさにプラチナチケット。東京五輪に合わせて収容人員3万5000人に増築したが、今後フルで観客を入れても状況は同じではないか。わずか数年で完全に巨人や阪神を抜きました。日本シリーズ、オールスターなど大きなイベント以外ではトップです」(都内金券ショップ店長)

 ハマスタは数年前まで観客の不入りに悩まされていた。親会社がDeNAになる前の横浜ベイスターズ時代の05年は年間動員数が約98万。それが18年には約203万人として球団史上初めて200万人を突破。そしてコロナ禍前の19年には約228万人にまで伸びた。

「ハード(=箱)とソフト(=ファンサービス)の改善が効果的かつ迅速に行われた。16年に友好的TOBでハマスタが球団傘下に入ったことで広告看板、飲食物、グッズなどの興行収入が莫大に増えたことが球団経営的に大きかった。そして自社が運営する球場だけにファンが望むサービスを即座に形にできるようになった。綿密なマーケティングでファンの嗜好を探り、それに沿った環境提供、ファンサービスを徹底した。新規客が増え、その後にリピーターとなる。素晴らしい循環です」(スポーツマーケティング会社関係者)

 11年オフにDeNAがTBSからベイスターズの球団を買収。当初から『コミュニティボールパーク』化構想を掲げ、地元に根付いた球団作りを進めた。『ハマスタ』を地域のランドマークとし、『野球』をキッカケに様々な人々のコミュニケーションを育む公共空間の創造を目指した。

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もはや野球場ではない?