食に対するこだわりも徹底している。横浜中華街の名店とコラボした商品は大人気。昭和時代から続く伝統の『みかん氷』も健在だ。そして醸造ビール『ベイスターズエール』『ベイスターズラガー』はハマスタ名物となった。コロナ禍で酒類販売禁止となり再発売を待ち望む声が多い。また女性に嬉しいスイーツも各種準備している。球場内ということで値段は少し高めの設定だが、すべてが納得できるクオリティだ。

「『毎年のように変わるチケット販売方法が複雑過ぎる』という声もあります。これも最善を見つけ出すための試行錯誤の段階だから。ハマスタにお客さんが入るようになってまだ5年ほど。その間にコロナ禍など、多くの問題も起きている。それら1つ1つを解決している真っ最中。これまで蓄積したノウハウを生かしハード、ソフト共に今後もさらに良くなるはず。DeNAの良いところを他球団そして他競技も見習い、スポーツ界全体の底上げになって欲しい」(スポーツマーケティング会社関係者)

 DeNAとなった12年からの4年間は5位と6位が2度ずつの弱小球団。しかし観客動員は右肩上がりで『勝てなくてもお客さんが入る』ことを実証した。その後Aクラスに入ることも増えたが、再び勝てない時期が続いている。しかし客足が衰えるどころか伸びているのは、毎年のようにハマスタが進化を続けているから。魅力があればチケット入手が困難なのも納得だ。

 ハマスタは世界に誇れる球場になりつつある。無観客開催となったが東京五輪でハマスタを全世界へ向け発信できたことは、日本のスポーツ界の大きな財産となった。これでDeNAが強くなれば言うことはない。ますますチケット入手困難になりそうだ。