阪神・梅野隆太郎 (c)朝日新聞社
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 巨人が3日の最下位・DeNA戦で3-3の手痛い引き分け。首位のヤクルト、2位の阪神が共に勝利したため、阪神と4.5ゲーム差、ヤクルトと5.5ゲーム差に開いた。直接対決でヤクルトと5試合、阪神と3試合残しているが逆転優勝の可能性は厳しい。追いかける上位のチームが2つあると、なかなか差が縮まらないからだ。

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  苦しい戦いが続く巨人に、ある「異変」が起きている。正捕手争いだ。

 「大城卓三が9月29日の中日戦から5試合連続でスタメンを外れています。『打てる捕手』として原監督から高く評価され、正捕手に一番近い存在でした。対照的に小林誠司は原監督の就任以降、出場機会を減らして苦境に追い込まれていました。ところが、9月以降はこの序列に変化が起きた。小林の先発マスクが増えている。でもチームは失速して結果が伴っていない。ハイレベルな正捕手争いという見方もできますが、固定できないのが現実だと思います」(スポーツ紙デスク)

  巨人の捕手陣は他球団がうらやむ陣容だ。球界トップクラスの強肩を誇る小林、強打が武器の大城、攻守でハイレベルな能力を兼ね備えて「次世代の正捕手」と期待される岸田行倫。今季のシーズン途中までは経験豊富なベテラン・炭谷銀仁朗(現楽天)も控えていた。

  だが、「帯に短し襷に長し」でそれぞれウイークポイントがある。小林の課題は打力だ。意外性のある一発を時折放つが、確実性に欠ける。小技や進塁打に長けているわけでもない。大城は途中出場した3日のDeNA戦で9回2死から同点適時打を放って意地を見せたが、守備面で配球やインサイドワークの評価が高くない。岸田に必要なのは一にも二にも経験だ。今年V逸した場合はスタメンマスクをかぶる可能性が増えるだろう。

  攻守で完ぺきな捕手を探すのはなかなか難しい。過去の球史を振り返っても、野村克也、古田敦也、城島健司、巨人OBの阿部慎之助(現2軍監督)など数えるぐらいしか出てこない。来季も大城、小林、岸田で切磋琢磨して正捕手争いを繰り広げることが予想されるが、他球団のスコアラーは「阪神の梅野隆太郎をFAで狙うのではないか」と警戒を口にする。

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