攻撃的な中盤、アタッカー陣では、オマーン戦で70分から交代出場した久保がスタメンに定着することはもちろんだが、それに加えて期待したいのが、やはり三笘薫である。前述の上田と前田同様に東京五輪では自身のコンディション不良だけでなく森保監督がチーム戦術の中に“落とし込めなかった”。だが、3位決定戦のメキシコ戦で奪ったゴールシーンに代表されるように、アタッキングサードで違いを見せられる稀有なタレントであることは間違いなく、今の森保ジャパンには必要不可欠な能力である。

 さらにもう一人、鹿島でブレイク中の荒木遼太郎にも期待したい。年齢的にはまだ19歳ではあるが、狭いスペースの中で見せる技術と一瞬のスピード、さらに高い得点力は、すでにJリーグの中では屈指のものがある。現状、「将来の日本を背負って行く若手」という位置付けではあるが、今季の9ゴール6アシスト(9月5日時点)という結果は、すぐにA代表に招集する理由になる。

 攻撃のタクトを振るうボランチでは、田中碧だ。五輪での激闘を経て9月10日に23歳を迎える技術と戦術眼に長けたゲームメーカー。今夏にドイツ2部のデュッセルドルフに移籍したこともあって今回の招集メンバーからは外れたが、今後のA代表定着は間違いなし。注目は柴崎岳からポジションを奪い取れるかどうかになるが、そうならなければ日本代表の進歩はないとも言える。遠藤航とのコンビネーション、補完性の高さは東京五輪で証明済み。日本のパス回し、攻撃のリズムを変えるには有効な手段になる。

 センターバックは吉田麻也、冨安健洋に続く3番手として植田直通は失格だったが、24歳の板倉滉に加え、昌子源もまだ28歳だ。問題はサイドバック。右は、31歳の酒井宏樹に続いて、27歳の室屋成と山根視来、22歳の橋岡大樹、21歳の菅原由勢と名前が挙がるが、左は未だに34歳の長友佑都をスタメンで起用しており、オマーン戦でのパフォーマンスも含めて今後の伸びしろはない。人材難であることは事実だが、早急に新しい形を見つけるべきだ。

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新たなSBの発掘も課題