日本馬が種牡馬として成功を収めたのは欧州や豪州にとどまらない。日本のダート路線で史上屈指の善戦マンとして長く走ったシーキングザダイヤは、日本から米国へ渡り、さらに南米のチリとの間でシャトル種牡馬として供用。チリではG1馬や重賞勝ち馬を多く出す活躍ぶりを見せた。

 日本で重賞2勝を挙げたSS産駒のアグネスゴールドは、日本から米国を経てブラジルへ輸出。同国で長く一線級の種牡馬として活躍し、特に2020-21シーズンはジャネールモネイがリオデジャネイロ牝馬三冠を無敗で制覇、オリンピッククレムリンがブラジルダービーを勝った。また2020年にはアルゼンチンでG1を勝った後に米国へ移籍したアイバーが、米G1シャドウェルターフマイルステークスを制している。

 その米国では、ハーツクライ産駒のヨシダが芝とダートの二刀流で活躍。芝G1のターフクラシックステークスとダートG1のウッドワードステークスを勝った。現在はケンタッキー州の名門ウインスターファームで種牡馬入りしており、米国でのSS系繁栄の期待がかかる。

 そして冒頭でも触れたディープインパクトだ。2018年の欧州では、英2000ギニーをサクソンウォリアーが、仏ダービーをスタディオブマンがそれぞれ制覇する快挙を達成。彼らはすでに現地で種牡馬入りしており、欧州でディープインパクト系が確立される可能性も十分にある。また20年にはファンシーブルーが仏オークスを制すなど、今年のスノーフォールを含め、伝統の欧州クラシックでもディープインパクトの血は無視できないものとなっている。

 ディープ産駒は豪州でもフィアースインパクトがマイルG1を通算3勝する大活躍。2019-20シーズンの最優秀中距離馬に選出された。日本で大活躍したアーモンドアイの父としても知られるロードカナロアの産駒タガロアも、2歳G1ブルーダイヤモンドステークスを制した。彼らもまた現地で種牡馬入りしており、産駒のデビューが待ち遠しいところだ。

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日本種牡馬の人気は今後も高まる?