ここで取り上げた以外にも海外で重賞を勝つ産駒を出した日本調教馬は数多く、挙げていけばキリがないほどだ(例えばペールギュントやグレイトジャーニー、シンコウフォレスト、ロックドゥカンブなどもいる)。欧米や豪州などの競馬主要国だけでなく、トルコや韓国などに輸出される種牡馬も多い(前者ではヴィクトワールピサやクルーガー、後者ではイーグルカフェやテスタマッタなど)。

 かつての日本は欧州や米国で活躍した馬たちを何頭も購入しては種牡馬として大成させられず、「名馬の墓場」などとやゆされた時代もあったが、今や日本の活躍馬の血を欧米が求める時代になった。将来は凱旋門賞やブリーダーズカップを勝つ馬の血統表に見慣れた日本馬の名前があるのが珍しいことではなくなるのかもしれない。そんな競馬ファンの夢がかなう日を見たいものだ。(文・杉山貴宏)