ディープインパクト産駒のスノーフォール(写真/gettyimages)
ディープインパクト産駒のスノーフォール(写真/gettyimages)

 今年の欧州クラシック戦線では、ディープインパクト産駒のスノーフォールが英オークスを16馬身差で圧勝。一躍、仏G1凱旋門賞の有力馬に躍り出たことが日本でも大きく報じられた。

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 現役時代に無敗で日本のクラシック三冠を制したディープインパクトは、すでに多数の海外G1馬を輩出するなど種牡馬としても輝かしい実績を残した。そこで今回は種牡馬として海外で活躍馬を送り出した日本調教馬たちを振り返ってみようと思う。

 海外に種牡馬として輸出される、あるいは産駒が海外でデビューするケースが増えてきたのは、やはり名種牡馬サンデーサイレンスの子供たちから。早くからあまりに多数の産駒が活躍したため、サンデーサイレンスの息子たちは現役時代にG1を勝っても種牡馬としての環境に恵まれないケースが多かったのだ。

 そうした状況の改善を狙って増えたのが、オーストラリアへのシャトル種牡馬としての輸出。サンデーサイレンスの初年度産駒であるダービー馬タヤスツヨシは豪G1ヴィクトリアオークスを制したホロービュレットを出すなどの活躍をみせたほか、同い年の皐月賞馬ジェニュインもG1オーストラリアンカップを制したポンペイルーラーを輩出した。

 彼らと同期の2歳王者フジキセキの産駒は、サンクラシークが南アフリカで大活躍後にG1ドバイシーマクラシックを制覇。余談だが日本で高松宮記念を連覇したキンシャサノキセキも豪州産のフジキセキ産駒だった。

 現役時代に香港マイルを制したSS産駒ハットトリックは、引退後に米国と豪州でシャトル種牡馬に。代表産駒としては、持ち込み馬としてフランスで生まれ、2歳時に仏G1モルニー賞などを制して欧州最優秀2歳牡馬および仏年度代表馬となったダビルシムがいる。ちなみにこのダビルシムはドイツやフランスで種牡馬として成功し、SSの血統を欧州で広げている。

 欧州で成功したSS系種牡馬といえば、ディヴァインライトも忘れてはならない。現役時代はG1高松宮記念で2着などはあったが重賞は勝てず、日本での種牡馬実績がほとんどないままにフランスへ輸出されたが、これが結果的に大正解。現地での初年度産駒から2007年の欧州最優秀2歳牝馬に輝き、翌年の英1000ギニーを制したナタゴラをいきなり輩出したのだ。その後はトルコに再輸出され、そこでもリーディングサイアーを争う活躍だった。

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欧州や豪州以外でも日本の種牡馬が活躍