「自殺はなくはないと思う。ただ、他殺と考えるなら社長は結構、恨みを買っているので。過去に刺されたりとか金融業関係でもめたりもしていた。そして家に誰でも出入りできる。私がいない時、社長の他の女の人が何人も出入りしていて、私が東京から帰ってきた時に『今日から家政婦です』と知らない女の人がいたりとかあった」

 須藤容疑者は毎月100万円のお手当をもらい、野崎さんの死後、野崎さんが経営する会社から約4千万円を受け取っていた。捜査が続く中、東京都内のタワーマンションを転々とする生活を繰り返していたとされる。

 野崎氏が経営する会社の従業員がこう話す。

「やはり早貴さんが逮捕されたか。ずっと怪しいと思っていた。50歳以上、年齢が離れてもともと結婚に無理があった。社長の話といえば、女か金儲けか、戦争時代に自分はくず鉄を拾い、裸一貫からのし上がったとかの自慢話。そして安倍政権、北朝鮮問題ですね。早貴容疑者はまったくそういう話に興味がなく、和歌山に来たばかりの時は社長の前で『それググってみるね』とスマホでやっていた。社長はググるの意味がわからずポカンとしていた。そのうち、社長と一緒に複数の人がいると話が呑み込めないのでLINEでその場にいる人に『社長、何を言っているんですか』と聞くこともあった。こりゃ長く続かないと思った」

 従業員によると、2018年3月に早貴容疑者の反対で結婚式が中止され、野崎さんは不信感を募らせていたという。早貴容疑者は自分の両親に結婚したことを話していなかった。

「社長自身は奥さんにぞっこんで結婚したものの、彼女の過去について何も知らなかった。だが、様々なことが耳に入るようになり、不信感を募らせていた。社長は『家の事、なんもしない。あの女はあかん』と言うようになっていました。早貴さんが逮捕されたので社長のお墓に行って線香の上げて報告したい」(前出の従業員)

 3月には野崎さんに離婚を迫られていた早貴容疑者。 知人によると、近くドバイへの移住を計画していたという。ドン・ファン怪死事件の謎が解ける日は来るのか。(AERAdot.取材班)