巨人の捕手・小林誠司(C)朝日新聞社
巨人の捕手・小林誠司(C)朝日新聞社

 戦前の下馬評が低かったヤクルトが3年ぶりの5連勝を飾り、13勝8敗4分けの貯金5で2位浮上の快進撃を見せる中、4勝19敗4分で最下位と開幕して1カ月も経たずペナントレースで取り残されたのがDeNAだ。

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「まだ4月ですが借金15、3位の巨人と10ゲーム差開いている状況で優勝どころか、CS進出も険しい状況です。投打がなかなかかみ合わず、ソト、オースティンの両外国人が復帰しても低空飛行が続いています。今年から就任した三浦大輔監督は経験値が浅い。脇を固めるコーチ陣もこの状況に対処しきれていないように感じます。一番のウイークポイントは捕手でしょう。突き抜ける選手がいないためなかなか固定できない。DeNAは若い投手が多いので捕手次第で投球内容はガラッと変わる可能性がある。このままだと上昇気流に乗るのは厳しい。シーズン途中に緊急トレードで捕手の獲得に動く可能性もあると思います」(スポーツ紙遊軍記者)

 強いチームには良い捕手がいる。黄金時代を築いた西武の伊東勤(現中日ヘッドコーチ)、野村克也監督の下で「ID野球の申し子」と呼ばれたヤクルト・古田敦也、強いリーダーシップと強打でチームを引っ張った巨人・阿部慎之助が好例だ。現役ではソフトバンク・甲斐拓也が「甲斐キャノン」と形容される強肩を武器に常勝軍団の正捕手に成長した。今年のヤクルトが好調な要因として、中村悠平が攻守で躍動しているのが大きい。巧みなリードで投手陣も引っ張り、課題の打撃でも2番打者に抜擢されて打率.280、2本塁打とチャンスメーカーになっている。

 一方、DeNAは正捕手が固まらない。戸柱恭孝がチーム最多の16試合にスタメン出場しているが打率.140、1本塁打。嶺井博希が8試合、山本祐大が2試合、高城俊人が1試合のスタメン出場で続くが、いずれも打率2割にも満たない。もちろん、捕手は守備が重要だが大事な場面で捕逸、暴投などバッテリーミスが目立つ。投手の責任も大きいが、呼吸が合っているとは言えない状況が多く見受けられる。正捕手候補のベテラン・伊藤光は3月のイースタン教育リーグの試合中に左足首を負傷して戦線離脱している。捕手事情は苦しい。

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