そのあたりも、今回のヒロインの新鮮さにつながっているのではないか。じつは最近の大河では、感情を前に出すタイプの女性キャラが多く「青天を衝け」の慶喜パートでの、上白石萌音や川栄李奈の演じ方にもそういう印象を受けるからだ。

 なお、物語の後半は経済ドラマ的な要素も加わるだろうから、栄一と千代との夫婦愛が身近な親しみやすさを維持するうえでさらに重要になりそうだ。

 それにしても、4年で3本の大河、そのひとつがヒロインとは、期待の大きさがうかがえる。その期待に十分応えきったとき、女優・橋本愛は本格的にブレークするのだろう。

宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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宝泉薫

宝泉薫

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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