今季も更なる成長が期待されるヤクルト村上宗隆(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)
今季も更なる成長が期待されるヤクルト村上宗隆(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)

「近い将来の三冠王への道を、既に歩み始めているのかもしれない」

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 昨年9月、この『燕軍戦記』でヤクルト村上宗隆(21歳)について、そう記した。あれから半年、その「近い将来」はすぐそこまで来ているように感じる。

 20歳で迎えた昨シーズンは、全120試合に四番バッターとして出場し、打率.307(セ・リーグ5位)、28本塁打(同2位タイ)、86打点(同2位)。「三冠」のタイトルには手が届かなかったものの、リーグ最多の87四球を選ぶなど、史上最年少で最高出塁率者賞(.427)に輝き、一塁手として初のベストナインも手にした。

 プロ4年目の今シーズンは、1月にPCR検査で陽性判定を受けて自主トレの中断を余儀なくされたが、沖縄・浦添での一軍キャンプには初日から参加。2月26日の楽天との練習試合で今季実戦初アーチを架けると、オープン戦でも全13試合で四番に座って12球団の選手中3位の打率.362、いずれも2位タイの4本塁打、11打点という好成績を残した。

「順調ですね。(1月に)陽性だったので、自主トレをあんまりやってなかったのでね。どうかなぁってちょっと心配したんですけど、全然(問題なかった)。まあ、彼は性格からして前向きだし、練習もよくするし。もっと段階を上げて良い選手になりたいっていうのもよく分かるので、順調じゃないですか」

 オープン戦終盤、村上についてそう語ったのは杉村繁打撃コーチである。ヤクルトのコーチとして青木宣親を育て、横浜(現DeNA)時代には内川聖一(現ヤクルト)、筒香嘉智(現MLBレイズ)らの指導に当たり、ヤクルトのコーチに復帰後は山田哲人と二人三脚で3度のトリプルスリー達成に導いた名伯楽は、彼らに続く “愛弟子”への期待を口にした。

「もう、すべて期待したいですね。打率もそうだし、(打撃)三冠に関することはすべて期待したいですね。三冠王のチャンス? 全然あると思います。去年から思っていましたしね」

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今季は本塁打量産も期待