また、親の年金額や親の資産がどのくらいあるかを把握していない子どもも多いという。突然始まり、いつまで続くかわからない介護に、何にどのくらいのお金をかけたらいいかもわからないとパニックになる人もいるだろう。

「もしできるなら、親の年金額や資産について、ある程度きいておいたほうがいいでしょう。介護に使えるお金のおおよそがわかります。在宅介護がいいか、施設に入りたいかなど、どういう介護がいいのか親の希望をきいておくことも大切です。突然介護が始まったときにも、スムーズにものごとが運びやすくなります」(吉田さん)

 事前に介護の基礎知識を知っておき、親と話し合っておいたほうが、無駄な時間や手間やお金をかけずにすむということだ。

 おりしも、改正された育児・介護休業法が21年1月1日から施行になる。

 これまでは「1日または半日単位」で取得できる介護休暇が、改正後は「1日または時間単位」で取得できるようになる。また、「一日の労働時間が4時間以下の労働者は取得できない」であったのが、すべての労働者が取得できるようになるのだ。こうした制度を知っているか知らないかで、介護と仕事の両立に差が出るのだ。

 この年末年始には、介護の基礎知識を学び、親と話し合っておく時間をつくってみてはどうだろうか。

(アエラムック編集部・大田原恵美)

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