ファンミーティングのために来日したペ・ヨンジュン(C)朝日新聞社
ファンミーティングのために来日したペ・ヨンジュン(C)朝日新聞社
ヨン様を一目見ようと移動先には”家族”(=ファン)が(C)朝日新聞社
ヨン様を一目見ようと移動先には”家族”(=ファン)が(C)朝日新聞社

 ドラマ『愛の不時着』が「現代用語の基礎知識選 2020ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に選出されるなど、第4次韓流ブームが巻き起こった今年。ヒョンビン(38)もいいけれど、韓流ブームの源流、ヨン様ことペ・ヨンジュン(48)を知らずして今の現象は語れない。

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「見たきっかけは友人からの口コミ。それまで韓国ドラマは見たことがなく興味もゼロ。どこか懐かしさを感じる純愛ものでありながら、記憶喪失や出生の秘密といった波乱万丈てんこ盛りの展開は衝撃的だった。感性的な映像と音楽も魅力的で一気に引き込まれた」

 と、2003年にNHKの衛星第2(BS2)で『冬のソナタ』が日本初放映された当時を振り返るのは、今年50歳を迎えた女性。

 名監督ユン・ソクホが手掛けた本作で、主役のカン・ジュンサンを演じたペ・ヨンジュン。当時といえば、前年の02年に日韓共催でFIFAワールドカップが行われ、両国の間に友好ムードが高まっていた時期。そんな中、韓国から登場した笑顔がうるわしい俳優に、中高年を中心とした女性視聴者の心は打ちぬかれた。付けられたキャッチコピーは“微笑みの貴公子”。“ヨン様”の愛称もあっという間に広まり、第1次韓流ブームの幕が開けた。

 初来日は2004年4月。ファンミーティング開催と主演映画のPRのため東京を訪れたが、羽田空港には約5千人のファンが詰めかけてパニック状態に。同年11月の2度目の来日時には成田国際空港に3,500人のファンが集結し、警備のため機動隊も出動。空港から都内のホテルまでの移動を複数のテレビ局がヘリで追跡生中継するなど、マスコミも激しい取材合戦を繰り広げた。

「ブームに乗って韓国ドラマの専門誌が次々創刊され、関連本も飛ぶように売れた。バブルのような状況で、新スターの誕生にマスコミ全体が浮かれていた」と語るのは、初来日のときからヨン様関連の取材・執筆をしてきたライターの望月美寿さん。

「当時、ヨン様、イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、ウォンビンの人気俳優4人が“韓流四天王”と称されていましたが、ヨン様の存在感は別格。ヨン様といえば胸に手を当てる独特のポーズがありますが、似合うのはやんごとないオーラがあるから。俳優というより王室の人のような風格があり、大げさでなく後光がさしている。会えるだけでありがたい気持ちになる唯一の俳優」と評する。

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韓国語教室の9割がヨン様ファン