■ブームを支えた“家族”たちの熱狂

 ヨン様が“家族”と呼んだファンの熱狂ぶりは、韓流ブームの象徴の一つだった。

「ヨン様にハマりすぐさま韓国語教室に通い始めたが、当時のクラスメートは9割がヨン様ファン(笑)。教室の友人と一緒に韓国に行き、春川といった『冬のソナタ』のロケ地を巡ったり、慣れないパソコンを覚えて情報交換をしたり。全てが新しい世界で楽しかった」と語るのは当時40代後半だった女性。

「夫そっちのけでヨン様に夢中になる人も少なくなく、“冬ソナ離婚”という言葉も登場するくらいだった」(前出のファンの女性)

 来日時には空港だけでなく、宿泊先のホテルにもファンが殺到。04年11月の来日時には、約1千人の出待ちファンがホテル周辺を取り囲み、ヨン様が乗った車に殺到。40~50代の女性10人がけがをする事故が発生し、大きなニュースになった。

「偽の名刺を作って記者のふりをして会見に潜り込んだり、空港で出迎えるために徹夜で場所取りをしたり。ほめられた話ではないが、その尋常ならぬパワーは今の若い韓流ファン以上のものがあった」(女性週刊誌の編集者)。

 ヨン様ファンの情熱は、大きな経済効果ももたらした。日本のシンクタンク、第一生命経済研究所が04年に発表した『冬のソナタ』の経済効果を試算したリポートによると、ドラマロケ地を巡るツアーの人気により、日本人の訪韓観光客が増加。日本でもDVDなど関連商品に加え、ヨン様を広告に起用した菓子や自動車などの売り上げが好調を見せ、04年だけで日韓両国に約2,300億円の経済効果があったと伝えた。

“モムチャン”と呼ばれる肉体美を披露した初の写真集『像 THE IMAGE VOL. ONE』(04年)は1万4,700円と高額だったにもかかわらず、先行予約だけで5万部が完売。また、カツラとメガネをセットにした「ヨン様なりきりグッズ」が発売されたり、マフラーを何重にも巻く「ヨン様巻き」が流行するなど、そのブームは業界や世代を超えて広がった。

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第4次韓流ブームにもヨン様の影響力が