・辻発彦監督(西武) 評価:B

 何とかAクラスは確保したものの、リーグ三連覇は逃すこととなった。秋山翔吾の抜けた穴はもちろんだが、山川穂高、中村剛也、森友哉の三人が揃って調子を落としたことがやはり痛かった。昨年までは少し調子が悪くても我慢して復調を待つという起用法が奏功していたが、今年の戦いぶりを見ているとその手法にも限界があるように見える。来年からはいかに次代の中軸候補を抜擢しながら勝つことができるかという点がポイントとなりそうだ。その一方でプラス面もある。チーム防御率は今年も昨年に続きリーグ最下位だったが、救援防御率は3位と課題だった中継ぎ陣の整備に成功したのだ。新外国人のギャレットだけでなく、平良海馬、森脇亮介、ルーキーの宮川哲など実績のなかった投手を上手く起用した点は評価できるだろう。来季は打線の立て直しと先発投手陣の整備がポイントとなりそうだ。

・三木肇監督(楽天) 評価:C

 昨年オフは12球団でもトップと言える大型補強を敢行。シーズン序盤はその成果もあって首位争いを演じたが、最終的には前年を下回る4位に沈んだ。新戦力の鈴木大地、ロメロ、小深田大翔を上手く起用してリーグトップのチーム打率と得点数をマークしたものの、併殺打はリーグ最多、盗塁数はリーグ最少と、目指すと言われていた細かい野球という点については大いに疑問が残る。そして野手以上に課題が残ったのが投手陣の整備だ。ロッテから獲得した涌井秀章、メジャーから復帰した牧田和久は期待通りの活躍を見せたものの、松井裕樹の先発転向は失敗に終わり、松井の抜けたリリーフ陣も最後まで不安定だった。これは監督というよりも編成の問題だが、シーズン中のトレードも成功したとは言い難く、ロッテが巨人から沢村拓一を補強したのとは対照的だった、結局1年で退任となったが、最後まで三木監督の色というものが見えなかったのも残念である。

・栗山英樹監督(日本ハム) 評価:C

 前年に続いて5位に沈んだ日本ハム。2年連続でBクラスとなるのは、2004年に北海道に移転してから初のことである。昨年は夏場まで首位争いに加わっていたが、今年はそれと比べても見せ場が少なかったことは間違いないだろう。西川遥輝、近藤健介、中田翔、大田泰示、渡辺諒と中心となる野手はまずまずの成績を残しているが、この5人以外の底上げがなかなか進んでいない。これまでのチームの特長だった若手野手の輩出が遅れている点が響いている。更に深刻なのが投手陣だ。上沢直之の復活と新外国人のバーヘイゲンの活躍はあったものの、昨年からの懸案事項であるリリーフ陣の整備は今年も進まなかった。ショートスターターなど新たな試みには取り組んでいるものの、やはり勝利の方程式を確立できなければ安定した戦いぶりは難しいだろう。来季で監督就任10年目となるが、年々選手への不満、文句とも言える発言が目立つようになっているのも気になるところだ。

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最下位オリックスはシーズン途中で監督交代