・西村徳文監督(オリックス) 評価:D/中嶋聡監督代行(オリックス) 評価:B

 前年に続いて最下位に沈んだオリックス。シーズン開幕2カ月で西村監督は事実上の解任となり、当然評価も低いものになる。山岡泰輔がいきなり故障で離脱したという不運はあったものの、昨年と同様に投手も野手も起用に一貫性が見られなかった。開幕当初はT-岡田とロドリゲスを1、2番で起用する奇策を用いたがすぐに方針転換。クリーンアップもなかなか固定できず、選手の役割もはっきりしなかった。安定して打てる選手が吉田正尚しかいないというのは確かだが、それでももう少しやり方はあったはずだ。

 8月下旬から指揮を執った中嶋監督代行もメンバーを固定することはできなかったが、チーム状況と来季に向けた戦いという意味では若手を積極的に抜擢したのは評価できる。特にチームに不足している強打者タイプの杉本裕太郎、大下誠一郎、太田椋を積極的に起用したのはプラス材料だ。また新コーチ陣に対して選手に教え過ぎず、まずはしっかり見ることを求めるという方針も好感が持てる。来季に向けての期待値も込めてこの評価とした。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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