BAND-MAID。右上から時計周りにKANAMI(G)、SAIKI(V)、小鳩ミク(G&V)、MISA(B)、AKANE(D)(撮影=加藤夏子)
BAND-MAID。右上から時計周りにKANAMI(G)、SAIKI(V)、小鳩ミク(G&V)、MISA(B)、AKANE(D)(撮影=加藤夏子)

 differentを素直に訳せば「違った」という意味だが、英和辞典には「風変わりな、特異な」という訳もある。まさに音楽シーンで“特異な”存在感を放つバンド「BAND-MAID」が約1年ぶりとなる新曲「Different」を12月2日にリリースした。来年は1月に新アルバムの発売、2月に日本武道館でのワンマンも決まっており、バンドはまさに上り調子だが、コロナ禍でその勢いは一度止まりかけた。春から夏にかけてのフェスやツアーはすべて中止となり、バンド活動も制限された。その状況をどう乗り越え、モチベーションを保ってきたのか。メンバー5人に聞いた。

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――少し前の話になりますが、2月13、14日の「LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)」2デイズは見事にソールドアウト、大成功に終わりました。BAND-MAIDにとっても大きなステップとなったのではないでしょうか?

小鳩ミク: 昨年12月に出したアルバム『CONQUEROR』(カンカラー)に多く収録したミドルチューンがお給仕(ライブ)の中でうまく展開できたので、緩急をつけたストーリー性のあるステージになったと思いますっぽ。そもそも、開催が新型コロナ感染拡大のギリギリの時期だったので、今となっては、お給仕ができたこと自体が奇跡だったと思いますっぽ。

SAIKI: ホントに遠い昔の話のようで、あんまり記憶がない……(笑)。でも、このファイナル公演だけ、タイトルを「進化」としたのは深い想いがありました。ご主人様(男性ファン)やお嬢様(女性ファン)の期待に応えると同時に、さらにその先に私たちが進んでいく、みんなを連れていく、という決意表明でした。私にとってもこの2デイズに喉のコンディションを最高潮に持っていけたこと、今まで歌えなかったミドルテンポの曲を表現できるようになり、それを渋公で発揮できたことは、まさに「進化」でした。

KANAMI: ツアーではアルバムとはアレンジを変えいった曲もたくさんあって、ご主人様、お嬢様もここで「ソロがくるな」とかだんだんとわかって、一緒に楽しんでくれるようになっていました。ツアーでアレンジした曲たちを「進化」で完成させて、渋公でしか見られないお給仕にしたいという思いもあったので、当日の盛り上がりと一体感は感無量でした。

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「不安すぎて何かを考えてる場合じゃなかった」