SAIKI: 私たちも厳しい状況でしたけど、飲食店や他の職業の人たちもすごく大変で、気を病んでいる方も多かったと思います。そういう方たちにも届けられるように、まずは私たちを認知してくれている人からでも元気になってもらえるようにと、ファンクラブ向けのコンテンツも増やしました。

小鳩: ZEPPツアーを中止にするかどうかも、本当に寸前まで悩んで、スタッフさんとも何度も相談しました。1日1日、コロナがどうなるかわからない状態で、どんな形なら開催できるのかもシミュレーションしましたが、私たちの曲は激しいものも多く、どうしても密になってしまう可能性が高い。ご主人様、お嬢様の健康に影響が与えることは絶対に避けなければいけないので、泣く泣く、ツアーは中止という判断に至りました。でもこの夏はできなくても、将来必ずこの「お返し」はしたいと思っていますっぽ。

――そうした状況のなかで、BAND-MAIDは7、8月に無観客ライブを2回開催し、全世界に向けて配信しました。結果、50カ国以上で視聴されて大きな反響がありましたが、初めての試みであり、大変なこともあったのではないでしょうか。

小鳩: 決めたのは、たしか6月くらいだったと思いますっぽ。やっぱり、スタジオに入れないのは大変でした。リハは基本的にリモートで相談しながらやって、「今日はこの曲をやろう」みたいな感じで、個人で曲を演奏してみて「ここどうしてる?」とか「アンサンブルどうかな」とか、リモートで確認しながら仕上げていった感じです。

SAIKI: 実際に全員で通しリハができたのは、7月に入ってからの3、4回くらいでした。でもやるからには、配信ならではのお給仕にしようと、背景のLEDパネルを最大限に活用しようと、いつもやっている映像チームにも入ってもらって演出を考えました。配信時間を60分にしたのも、見ている人が疲れない長さにしようと、曲を厳選しました。

小鳩: 配信ライブで初めてBAND-MAIDを見るご主人様、お嬢様もいるはずなので、曲はミュージックビデオ(MV)があるものを多めにしましたっぽ。MVで人気のある曲を中心に、LEDを上手く使えばMVの雰囲気を出した面白いお給仕にできるかもしれない、ということでいろいろと試行錯誤しましたっぽ。

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