過去には巨人とも“ひと悶着”  中島宏之はプロ野球界「最後の武闘派」? (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

過去には巨人とも“ひと悶着”  中島宏之はプロ野球界「最後の武闘派」?

久保田龍雄dot.
巨人・中島宏之 (c)朝日新聞社

巨人・中島宏之 (c)朝日新聞社

 さらに中島は、11年7月11日のオリックス戦(西武ドーム)でも、死球騒動の主役となる。

 7点リードの6回1死二塁、高宮和也の140キロ直球が左脇腹を直撃すると、中島はバットを放り投げ、マウンドに突進した。

 これには伏線があった。初球がボールになった直後、福間納コーチがマウンドに足を運んだのを見て、「あり得ないタイミングでのタイム」と疑念を抱いたところへ、予想どおりの内角攻めで死球。「あからさまだ!」と怒りを爆発させたのだ。

 両軍もみ合いとなり、オリックスの山田勝彦コーチが中島を非難すると、ふだんは温厚な西武・渡辺久信監督も「相手がぶつけてきているのにごちゃごちゃ言ってきて。わざとじゃないにしたって、ぶつけたほうが(文句を)言えることじゃない」とヒートアップ。「まだ言ってんのか!こっちに来い!」と突っかかっていったため、数人がかりで制止するひと幕も。

 試合には大勝したものの、「(オリックスは)しょうもないチーム」と怒りが覚めやらぬ中島は「今年中にやり返したる」とリベンジ宣言。相手はこのひとことだけで十分ビビったはずだ。

 13、14年とアスレチックス傘下でプレーした中島は、帰国後、くしくもそのオリックスに入団。16年9月21日には、古巣の西武相手にぶち切れパフォーマンスを見せた。

 2対2の8回1死、この回からリリーフした牧田和久がT-岡田の右肩付近にぶつけた直後、次打者の中島にも2ボールから左腰にドスーン。連続死球とは、穏やかではない。牧田は帽子を取って謝ろうとしたが、中島は怒りの形相でマウンドへ。捕手の岡田雅利が制止しようと間に入り、両軍ナインも飛び出して、警告試合になった。

 しかし、これは、なんと演技だった。「全然イラっとはしてないんです。内角を投げにくくさせたろうと思っただけ。捕手には『続けたやろ』って言いましたけど、一塁に行って、笑いを隠すのに必死でした」。

 そして、2死満塁とチャンスを広げたあと、代打・駿太が「中島さんの姿を見て、気持ちを入れていかなきゃと思った」と気合のひと振りで右前に決勝2点タイムリー。

 アメリカナイズされた“脅し”の演技でチームを勝利に導いた中島は「役者やったでしょ」と上機嫌だった。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい