ビジネスに携わっている方にとって、SNS発信の真の目的はSNSで稼ぐことではなく「仕事に役立てること」だと考えて下さい。どんな立場の人でも、その人の持っている情報を求めている人は必ずいます。まずは「お金を稼ぐ」という視点から離れましょう。発信を地道に続けることで、情報が蓄積されていきます。このSNSの「蓄積効果」が発信者の信頼度を高めていき、プルのコミュニケーションの効果をより大きなものにしていくのです。

■アフターコロナこそ、SNS発信を

 コロナ禍で、日本がいかにデジタル後進国であるかが浮き彫りになりました。ネットという感染リスクゼロのツールがあるにもかかわらず、ハンコや打ち合わせのためだけに出社する人は少なくありません。

 しかし、これからはデジタルのコミュニケーションが必須の社会になっていきます。アフターコロナにおいては、実名でのネットコミュニケーションのメリットが増加します。例えばアパレル大手のBEAMSは、店舗のスタッフの多くが実名・顔写真つきでブログやSNSを更新し、おすすめの服などを身に着けた写真や動画、商品の背景をつづったブログ記事などを投稿しています。こうしたデジタルのコミュニケーションをコロナ以前から実施していたため、コロナ禍によるネガティブインパクトを最小限に抑えることができたと聞いています。

 BEAMSに限らず、ビジネスにおいてSNSの恩恵を受けた話はあちこちで耳にします。ぜひ、こうした恩恵を多くの人に味わってほしいと思います。

 この記事をきっかけに、SNS活用の最初の一歩を踏み出してみて下さい。(聞き手・AERA dot.編集部/井上啓太)