一番最初のライブではキャパ300人程の会場を2日間借りたんですけど、チケット30枚しか売れなかったんですよ。そこから3~4年はチケットが全然売れなかったですね。それでも、おさむさんと作り込んでいったら、お客さんも徐々に増えていきました。

 このライブ「放送禁止」を始めたときにひとつだけ決めていたのは、5年間続けられるまで、相方・中島忠幸の話はしないということ。このライブが5年間続いたら、そのときがちょうど相方の七回忌なんですよ。そのときは、相方が死んだってこと、それだけでお笑いライブ作ろうって決めていたんです。一切、相方の死については語らず、5年後に「カンニングのお葬式」ってライブをやったんです。セットに祭壇を組んだりして、2時間「死とお笑い」でやって、そのライブが好評だったんです。僕もおさむさんも「人が亡くなったことを笑えるのか」って相当悩んで、作り上げました。そこから爆発したんです。

「1日1万円自腹で365日あげる」というネタでライブをやったこともあります。テーマは「結局、お金ってなんだ? 幸せってなんだ?」ということ。「あなたが幸せだと思うことに使ってください」って、1日1万円を芸能人、一般人問わず必ず誰かに渡すんです。

 その後は、社会的なテーマになっていて、話題になったことを徹底的に調べ上げるようになった。例えば、当時、田代まさしさんにドラッグの取材をし、そこから全国のダルクに話を聞きに行ったりだとかやりました。「週刊文春」の編集長に張り付いて取材して、文春記者に勝手にならせてもらってスクープ取ってくるとか。「週刊誌ってなんだ? スクープってなんだ?」って、そういうことをやるわけですよ。

 いろいろやってきていますが、5年目を境にチケット即完売のライブになってきているんですよ。会場も大きくなってきて、今年はカンニング結成30周年ということで中野サンプラザでライブ「放送禁止」をやる予定だったんです。中野サンプラザでやるのも、ある意味があったんですけど。

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