横浜市立大学病院の槙山和秀医師は次のように話す。

「開腹手術を検討されるような症例でも、ロボット手術なら開腹せずに切除可能なこともあります。ロボット手術の保険適用で、部分切除の症例は増えたといえるでしょう」

 腎がんの患者数はそれほど多くないため、年間、30~40例手がける病院なら、経験も豊富で実績を積んでいるといえるだろう。岩手医科大学病院の小原航医師は次のように話す。

「腎がんは大きさ、場所、性質など、じつに多彩です。患者それぞれに合った最適な手術をおこなうには、技術と経験値の高さが必要になるでしょう」

 ロボット手術を取り入れていない病院もあるが、腹腔鏡の症例数が十分であれば信頼できるだろう。ただ、開腹手術を勧められた場合は、ロボット手術を手がける病院でセカンドオピニオンを受けて、術式を再検討するとさらに安心だろう。

 なお、腎がんの手術に関して、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から回答を得た結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。同ムックの手術数ランキングの一部は特設サイトで無料公開。「手術数でわかるいい病院」 https://dot.asahi.com/goodhospital/

(文/別所 文)

≪取材した医師≫
岩手医科大学病院泌尿器科診療部長・教授 小原 航医師
横浜市立大学病院泌尿器科准教授 槙山和秀医師

※週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2019』より