「水痘ワクチンよりも効果が高く、帯状疱疹の発症率を約97%、帯状疱疹後神経痛は90%程度抑えられると報告されています。免疫抑制剤や抗がん剤を使用している人も、注意しながら接種できます。ただし、長期的な研究結果はまだ出ていないので、効果がどれくらい持続するかは明らかになっていません」(渡辺医師)

 費用は現状、自己負担(ごく一部の自治体では助成あり)で、医療機関によって異なるが、水痘ワクチンが1回6千円前後、不活化の帯状疱疹ワクチンが1回2万円前後だ。水痘ワクチンは1回接種だが、不活化ワクチンは2回接種する必要がある。

 帯状疱疹は、水ぼうそうにかかったことがある人なら誰でも発症する可能性があるので、ワクチン接種の対象となる。糖尿病などの病気や薬の服用で免疫力が下がっている人は、帯状疱疹を発症しやすいので、ワクチンを打つ意義は大きい。

子どものころに水痘ワクチンを打っていれば、帯状疱疹になるリスクは極めて低い。ただし、体内にウイルスが潜伏している可能性があるので、発症のリスクはゼロではない。

「任意接種なので、そこまで普及していないのが現状ですが、帯状疱疹は痛みが残ると生活の質が大きく低下します。たとえ発症したとしても軽くすませるためにも、帯状疱疹が心配な人は、ワクチンの接種をおすすめします」(同)

 なお、がんや心臓病などのさまざまな病気に関して、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。一部は特設サイトで無料公開。
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(ライター・中寺暁子)

<取材した医師>
奈良県立医科大学病院皮膚科教授 浅田秀夫医師
愛知医科大学病院皮膚科教授 渡辺大輔医師

週刊朝日  2020年7月31日号