ブレイクし切れていない巨人の吉川尚輝 (c)朝日新聞社
ブレイクし切れていない巨人の吉川尚輝 (c)朝日新聞社

 プロ野球は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、20日のシーズン開幕は延期となったが、選手たちはそれぞれの立場で飛躍を目指して練習に励んでいる。各チームには、ブレイクが期待される選手がいるものだが、なかにはそんな期待に応えられず、周囲をやきもきさせる選手が少なからずいる。今回はブレイクし切れない選手たちを探してみよう。

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 まずは誰もが期待する、ドラフト1位選手。ポテンシャルの高さを期待されて入団しながら、今ひとつ結果を残せていない選手がいる。

 2016年巨人ドラフト1位の吉川尚輝は、中京学院大の先輩である菊池涼介(広島)に勝るとも劣らない内野手として、チームに長年不在だったセカンドのレギュラーに期待されたが、コンディション不良で一軍定着さえままならない状況だ。プロ2年目の2018年に「2番・セカンド」で開幕スタメンを勝ち取り、7月から8月にかけて18試合連続安打を記録するなど、月間打率.386とブレイクの兆しを見せたが、8月1日の試合中にヘッドスライディングで左手を骨折し、残りのシーズンを棒に振った。昨季も持病の腰痛が悪化してわずか11試合の出場に終わるなど、ケガとの戦いを強いられている。

 吉川と同年にドラフト1位でロッテに入団した佐々木千隼も、高い期待を裏切っている1人だ。新人王候補最有力との触れ込みでルーキーイヤーは開幕から先発ローテに入り、プロ初登板、初先発で初勝利と華々しいスタートを切ったが、その後は4連敗を喫するなど勝ち星が伸びず、4勝で1年目を終えた。2年目は右ひじ痛を発症して一軍未登板に終わり、手術から復帰した昨季は7月に一軍に復帰したが、7試合の登板で2勝に終わっている。

 吉川と佐々木は故障に泣かされたケースだが、ドラ1入団から4年間、毎年2ケタ試合数に先発しながら、勝ち星が伸びないのがヤクルトの原樹理だ。原は1年目が13試合で2勝8敗、リリーフにも回った2年目は26試合で3勝11敗と大きく負け越したが、結果が出なくても使い続ける首脳陣の期待の高さを感じさせた。3年目はプロ初完封勝利をマークするなど、30試合で6勝7敗、防御率3.09と自己ベストを更新。昨季は開幕3試合で2勝を挙げ、いよいよエース候補が開花したと思われたが、その後は不振で打ち込まれる試合が続いた。6月頭にチームの16連敗を止める1勝はあったが、同月中旬に登録抹消となり、そのままシーズンを終えた。

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