内視鏡治療だけで治るがんにもかかわらず手術で胃切除となったり、明らかに内視鏡治療の適応にならないがんが内視鏡治療でおこなわれたりすることがないよう、自分のがんの状態を理解したうえで治療方法を確認することが重要だ。

「セカンドオピニオンに来る患者さんは自分のがんの状態をわかっていない方が多くいらっしゃいます。何センチのどういう組織のがんで、内視鏡治療の適応なのか適応でないのかは、医師に確認するべきです。そうすることで、医師とのすれ違いや納得のいかない治療は少なくなります」(野中医師)

 循環器系の疾患を抱えている場合、以前は抗血栓薬を治療の1週間前からやめておくことが往々にしておこなわれていた。しかし、17年にガイドラインへの追記があり、抗血栓薬をやめずに内視鏡治療を受けられる場合も出てきた。野中医師のもとへは、抗血栓薬をやめなくても治療ができるのに、それを知らずにいた患者がいまだにセカンドオピニオンを受けにくる。

「飲んでいる薬や患者さんの身体状況にもよるので、全員に該当するわけではありません。しかし、抗血栓薬をやめると心筋梗塞や脳梗塞のリスクなどがある場合は、複数の医師の意見を聞いてもいいでしょう」(同)

≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫

ケース
ESDか外科手術かで悩む場合

診断をするための内視鏡治療を先におこない、その病理結果で判定するのが主流。悩ましい症例にもかかわらず、手術しか選択肢が示されない場合はセカンドオピニオンを考慮するのがよい。

ケース
検査の段階で安易に抗血栓薬をやめるよう言われた場合

2017年にガイドラインに追記があり、内視鏡治療の際の抗血栓薬中止・継続の判断基準が以前より明確になった。状況にもよるが、抗血栓薬を飲まないとリスクが大きい場合は確認しよう。

■ランキングの読み方と病院選び

「治療数は確実に病院の実力を表しています。年間100例が目安」とは、両医師共通だ。

「場所や大きさ、深さなどさまざまな要素を含めて治療を考えなければいけません。その判断にはかなりの経験を要するため、治療法を決めるための診断も治療数が多いところほど正確性があるでしょう」(鈴木医師)

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難しい症例と言われた場合は?