大阪桐蔭が「常勝軍団」でいられる理由、選手の能力を“最大限”引き出す秘訣は? (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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大阪桐蔭が「常勝軍団」でいられる理由、選手の能力を“最大限”引き出す秘訣は?

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西尾典文dot.
「高校野球秋季近畿大会」大阪桐蔭対明石商 打席に立つ大阪桐蔭の西野力矢 (c)朝日新聞社

「高校野球秋季近畿大会」大阪桐蔭対明石商 打席に立つ大阪桐蔭の西野力矢 (c)朝日新聞社

 近畿大会では正捕手の吉安遼哉(2年)が怪我でベンチ外となったが、それでも控えの清水大晟(2年)がしっかりとホームを守り抜き、選手層の厚さも見せた。投手陣も安定感のあるエースの藤江以外にも大型右腕の申原理来(2年)、入学直後から大器と評判の松浦慶斗(1年)、関戸康介(1年)、竹中勇登(1年)など140キロを超えるスピードを誇る選手を複数揃えている。今後の成長次第では、全員がプロ入りを狙える素材と言えるだろう。

 今年のチームについて個人名を挙げて紹介したが、能力が高い選手が揃っていることだけが大阪桐蔭の強さではない。毎年チームを見て思うことだが、基本的なプレーが徹底して鍛えられているということが強さの最大の要因である。それを象徴しているのが試合前のシートノックだ。

 まず捕手と内野陣がボール回しをするところからスタートするが、その投げるボールの速さと正確さから他のチームを圧倒している印象を受ける。またレギュラーと控え選手のレベル差が大きいチームも少なくないが、大阪桐蔭の場合は二桁の背番号をつけた選手も見事なスローイングとフットワークが徹底されているのだ。これは普段の練習の賜物と言えるだろう。近畿大会と同じ時期に京セラドームでは社会人野球の日本選手権が行われていたが、大阪桐蔭のシートノックは社会人チームと比べても遜色のないものだった。これは今年のチームに限ったことではなく毎年のことである。

 また相手チームに対する研究を徹底して行うところも大阪桐蔭の強さの一つである。明石商戦、たまたま隣に大阪桐蔭のコーチが座っていたが、その会話からは中森について相当研究してきたことがよくうかがえた。決して自分たちの力におごることなく、対戦相手について調べ上げる姿勢は見事という他ない。

 近畿大会は準優勝に終わり、2年ぶりとなる明治神宮大会への出場は逃したが、春の選抜では再び高校球界屈指の強豪の姿が見られそうだ。今年のチームが果たして全国大会で最強世代を超えることができるのか。新生大阪桐蔭の戦いぶりに注目だ。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。


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